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大字請戸区総会で講演を行いました

NPO法人歴史資料継承機構じゃんぴんです。

10月21日に福島県浪江町役場において開催された大字請戸区総会において、

代表理事西村慎太郎が「請戸の近現代と石碑」という講演を行いました。

これは今年5月に刊行された『大字誌ふるさと請戸』、

および先週行われました国文学研究資料館の研究チーム主催によるシンポジウムにおいて、

触れることのできなかった内容、地域の方がたと共有したい内容を講演したものです。

当日配布資料を以下に掲げたいと思います。

なお、レジュメそのものとは書式が異なっているため、

必要な方は御連絡頂ければ添付ファイルでお送り致します。

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2018年10月21日(日) 浪江町請戸区総会 於:浪江町役場本庁舎2階大会議室
請戸の近現代と石碑
西村 慎太郎

はじめに
・『大字誌ふるさと請戸』のなかで「近代の請戸」を執筆
・近現代の請戸で建立された様々な石碑に大きな関心
・2018年9月8日に6か月ぶりに請戸を訪問し、石碑調査、その成果報告

機А愨膸誌ふるさと請戸』歴史編の執筆について
1-1 執筆の経緯と内容
・2016年2月 紺野廣光氏より泉田邦彦氏(双葉町両竹出身)へ歴史編執筆依頼
 古代:松下正和(神戸大学准教授)
 中世:泉田邦彦(石巻市教育委員会)
 近世:天野真志(国立歴史民俗博物館准教授)
 請戸港:井上拓巳(さいたま市立博物館学芸員)
 近現代:西村慎太郎(国文学研究資料館准教授)
・1人(1時代)400字×50枚
 ⇒総論6000〜8000字 / 各論12000字
・将来の中学生が読破できる内容 / 知的好奇心は担保しつつ記述の平易化
 ⇒浪江町史編纂室・浪江町教育委員会より提供
・請戸の郷土史家・鈴木孝一氏の研究を最大限に生かす
・請戸地区の方(10名)からの聞き取り調査(2017年3月東北大災害研にて実施)
 ⇒ビデオによる撮影 / 歴史編近現代ではかなり活かすことが可能

1-2 執筆後の成果
・2017年9月2日 国文学研究資料館主催シンポジウム「地域歴史資料救出の先へ」開催
 ⇒ 2018年3月30日 ブックレット刊行
・2018年10月13日 国文学研究資料館主催シンポジウム「福島県浜通りの歴史と文化の継承」開催

供Ю糎佑龍畍渋紊叛佝 -西村が選んだ請戸の近現代石碑ベスト3-
2-1 「標葉公忠勲之碑」
・標葉氏の墓石:請戸字御壇の五輪塔
・南北朝期に北畠顕家に仕えた標葉持隆を顕彰
・林銑十郎陸軍大将揮毫
・林銑十郎:近代日本の陸軍軍人、首相。明治9年(1876)〜昭和18年(1943)。旧加賀藩士
の家系。陸軍大学校卒業後、日露戦争従軍。昭和7年(1932)陸軍大将昇進。のちに陸軍大臣
を務める。昭和12年2月第33代内閣総理大臣に就任するも、同年5月に総辞職(「なんにもせ
んじゅうろう内閣」)。「標葉公忠勲之碑」の揮毫は首相退陣後の作品。

保元年中標葉隆義侯請戸ニ御
館ヲ創築シ之ニ移居シテヨリ
其後裔十一代三百三十二年ニ
及ブ而シテ建武中興ニ際シ持
隆侯ハ諸弟ト共ニ
後醍醐天皇ノ忠臣北畠顕家卿
ニ属シ遠近ノ国郡ニ於テ屡軍
功ヲ抽ンズ依テ朝廷ヨリ恩賞
ヲ賜ハル其忠蓋功勲千古ニ傳
へ以テ亀鑑トスベシ今茲ニ顕
家卿ノ六百年祭ニ當リ此御檀
ノ地ヲトシテ碑ヲ建テ歴代諸
侯ノ偉績ヲ景仰スルト與ニ持
隆侯ノ忠勲ヲ顕彰ス
 昭和十三年十二月廿二日

・現代語訳:保元年中(1156年〜1158年)標葉隆義侯は請戸に御館を新しく築いた。ここに
引っ越してからその末裔11代332年に及んだ。そうしたところ、建武中興(後醍醐天皇による
建武の新政)に際して標葉持隆侯は弟たちとともに後醍醐天皇の忠臣である北畠顕家卿に属
してあちこちの国・郡においてしばしば軍功が際立っていた。そのため朝廷より恩賞を賜っ
た。その忠はまさしく勲功を永遠に伝えて、それを手本としようではないか。いまここに北
畠顕家卿の六百年祭に当たり、この御檀(御壇)の地をして碑を建てて、歴代諸侯の偉大な
業績を仰ぐとともに標葉持隆侯の忠勲を顕彰する。
・中世標葉氏の動向については『大字誌ふるさと請戸』の「中世の請戸」参照

2-2 「県社苕野神社」
・苕野神社:社伝によれば第12代天皇・景行天皇の頃、勧請、和銅8年(霊亀元年。715)社
殿創建。坂上田村麻呂東征の際に戦勝祈願したと言われている。標葉郷唯一の式内社であり、
中世に至って、標葉氏・相馬氏の尊崇を得た。大杉神社(あんばさま。茨城県稲敷市)との
関係が指摘されており、毎年2月第3日曜日に浜下り潮水神事である安波祭が挙行される。
・大正12年(1923)2月社格が郷社から県社へと昇格
 ※社格の相違とは? 近代神社の社格は明治4年(1871)成立。神社を官社と諸社に分け
て、官社は「官幣社」「国幣社」として、神祇官の管轄下にそれぞれ大・中・小社に区分。
諸社は県社と郷社に分け、ともに地方の管轄下に置いた。昭和21年(1946)2月2日勅令第
71号によって廃止。
・「陸軍大将従二位勲一等男爵立花小一郎書」
・立花小一郎:近代日本の陸軍軍人。福岡市長、貴族院議員。万延2年(1861)〜昭和4年
(1929)。筑後三池藩(立花家1万石)家老の家系。陸軍士官学校卒業後、日清・日露戦争
では参謀として従軍。大正9年(1920)陸軍大将昇進。同12年男爵。のちに福岡市長、貴族
院議員を歴任した。
・「大正十四年二月建設 石材寄進星卓弥・石工今福栄蔵」

2-3 「養蠶大神」
・蚕を祀った石碑 / 蚕の豊作と病気封じ / 昭和4年(1929)旧4月4日建立
・明治12年(1879)浪江に生糸市場開設 ⇒全国的に養蚕・製糸業が盛ん
・他の地域の「養蚕大神」 ex長野県須坂市・山梨県北杜市

おわりに
・請戸で建立された様々な石碑は様々な人や近代産業の様相が見て取れる貴重な資源
・全点調査とともに修復や再建の可能性は / 文化財として、震災遺産として
西村慎太郎
(人間文化研究機構国文学研究資料館准教授・NPO法人歴史資料継承機構じゃんぴん代表理事)
・E-mail: haniwa28@hotmail.com
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